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2015年3月11日 (水)

「科学的」を考えてみる

3月3日、私が勤めていた翻訳会社のリングァ・ギルド(LG)が行っているリングァ茶屋シリーズ・イベントがありました。『なぜふつうに食べられないのか 拒食と過食の文化人類学』という本を出版された著者の磯野真穂さんによる出版記念トークイベントでした。詳細については、LGのホームページに譲るとして…

私にとって最も気になったのは、磯野さんが、そもそもスポーツ科学を専攻していたにもかかわらず、「科学的」な分析の視点、つまり物事を腑分けして、順番をつけ、数値化するという発想(思想?)そのものに疑問を感じて、人類学という、思ってもみなかった分野に挑戦するようになったというくだりでした。

これは、とても深~いお話で、私がこれから指圧師になるに当たって、どういう方向を目指すのかにも、すごく大きくかかわってきます。私は現在、それこそ、磯野さんが疑問に思った、腑分けの学である解剖学や、人の身体の機能をミクロな視点から考える生理学について、とりあえず、お子様的な基礎知識を学んでいます。まったく新しいことばかりだし、人の体をこれまでこんな形で学んだことがなかったので、今の私にとってはとても興味深く、これからの修行には欠かせない勉強だとも思います。

でも、その一方で、最終的に自分が現場に立って一人ひとりと向き合う段階になったときには、問診や外見から具合の悪い箇所を分析し、そこから答えを導き出すという「科学的」な視点だけでは、きっと答えがでないことのほうが多いんだろうなぁ、ということも、なんとなくわかっています。

それは、すご~く単純化して言ってしまえば、ホリスティックな観点がなければ、本当の意味での治療はできないってことだし、それを見極める眼(と体)をどうやって鍛えるかってことでもあります。と言ってしまえば簡単だけど、その道は遠い…そもそも言いたいことを書こうとして、言葉を探すと、どうしてカタカナ語になったりするんだ。

まあ、そんな迂遠な話をするより、目の前の試験がんばれっていうのも現実なので、ともかく一歩一歩、ゆっくりのったり進むつもりです。今、読んでいる津田篤太郎さんの『漢方水先案内』という本は、こんな私の不安に、指針というか「大丈夫だよ」の安心感を与えてくれる温かい良書です。東洋医学にちょっとでも興味がある方などいらっしゃいましたら、ぜひ。

磯野さんのご著書は、まだ読んでいないのですが、こんな大切なことを改めて考えさせてくれた磯野さんの本を読むのも楽しみです。

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